M&Aの世界では、資格取得はしなくても構いませんが、専門家としてのステップアップや信頼性の向上に繋がります。
今回がM&Aにおいて重要な資格を厳選して、民間資格4つと国家資格1つピックアップいたします。ですが、これらの資格取得よりも前に、もしまだであれば簿記の取得(2級レベル)の方が優先かと個人的には思います。参考にして頂ければと存じます。
特に、M&Aスペシャリスト資格やM&Aエキスパート認定資格など、各資格は高度な知識やスキルを習得する手段としては重要になっております。
ただし、これらの資格が真の価値を発揮するためには、実際の現場での経験や実績も同様に欠かせません。
概要・試験内容:
日本経営管理協会が運営・認定。
M&Aの知識だけでなく、実務で活躍できるスペシャリストであることを証明できる。
実務に特化し、M&Aの第一線で活躍する方が講師となり、資格取得後も役立つ内容を学ぶことができる。
難易度:
非常に高い難易度があり、修得できればM&Aの十分な実務スキルを有していることを証明できる。
受験料:
支援講座受講料:77,000円(消費税込み)
検定試験料:11,000円(消費税込み)
受講+検定試験合計:88,000円(消費税込み)
概要・試験内容:
日本M&Aセンターと金融財団事情研究会が共同で企画・運営・認定。
「事業承継・M&Aエキスパート試験」はM&Aに関する基本的な知識を身につけることを目的とする。
上位資格として「事業承継シニアエキスパート」「M&Aシニアエキスパート」も存在。
難易度:
「M&Aエキスパート認定資格」は入門的な資格であり、修得しやすい。
受験料:
受験料は7,700円。
講座の受講はありません。
概要・試験内容:
一般社団法人日本M&Aアドバイザー協会が運営・認定。
試験形式ではなく、講座の受講とJMAAによる審査に合格することで正会員として認定される。
難易度:
試験形式をとっていないため、審査基準の内容は明かされていないが、正会員として証明される以上、厳格な審査基準があると考えられる。
受験料:
受講料198,000円
入会金33,000円
月会費132,000円(年間一括払い)
概要・試験内容:
一般社団法人事業承継協会が運営・認定。
M&Aの中でも事業承継に特化した資格。
事業承継に必要な知識やツールを学ぶことができる。
試験内容:
試験は選択問題と記述問題の混合形式。
資格を有する一定の公的な資格を持つことが受験資格の条件。
土地家屋調査士、一級建築士、不動産鑑定士、宅地建物取引士、中小企業診断士、ファイナンシャル・プランニング技能士、税理士、公認会計士、行政書士、司法書士、弁護士、社会保険労務士など。
難易度:
資格取得講座を受講するには、一定の公的な資格を有することが条件。
他の公的資格を有する人にとっては、事業承継士資格の取得は難易度が高いとされています。
受験料:
事業承継士資格取得講座:300,000円
認定試験:9,000円
入会金:10,000円
その他の特記事項:
資格取得者は、事業承継センターから優先的に案件を紹介してもらえる。
一般社団法人事業承継協会を通して最新の制度・税務、法律などの情報や人脈を得られる可能性がある。
これらの情報を考慮すると、事業承継士資格は高度なスキルと知識を持つことが期待される資格であり、他の公的資格を有する専門家にとって価値のある資格といえます。
概要・試験内容:
主に中小企業に対して診断、経営指導を行う資格。
中小企業のM&A業務も手がけ、事業承継において頼りにされる存在。
PMI(Post Merger Integration)において活躍し、買収された企業の従業員のメンタルケアを担当。
1次試験、2次試験(筆記・口述)、実務補習・実務従事の3ステップで資格取得。
試験内容:
1次試験(例年8月実施):中小企業診断士に必要な知識の判定。マークシート方式。
2次試験
筆記(10月実施):中小企業診断士としての応用能力を判定。
口述(12月実施):中小企業の診断・助言に関する実務の事例や助言に関する能力を判定。
実務補習・実務従事:
中小企業診断士としての診断実務能力を有するかを判定。
第2次試験合格後、3年以内に実務補習を15日間以上受講または実務に15日間以上従事し、登録申請を行う。
難易度:
合格率は1次試験、2次試験ともに20%前後。
全体的な合格率は約4%であり、高い難易度の試験とされる。
受験料:
1次試験:13,000円
2次試験:17,200円
実務補習受講料:
5日間コース:50,000円
15日間コース:148,600円
M&Aアドバイザリーにおいて資格は一定の基準を示すものでありますが、資格だけが成功への鍵ではありません。実際の現場での経験を積み、実績を築くことが同等に重要です。資格取得と実践のバランスを取りながら、M&Aの世界での専門性を高めることが、真の成果を生む道です。 また冒頭でもお伝えの通りこれらの資格取得よりも前に、もしまだであれば簿記の取得(2級レベル)の方が優先かと個人的には思います。参考にして頂ければと存じます