M&Aアドバイザリーの未経験者の転職難易度

2023.11.13
転職ノウハウ

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M&Aアドバイザリー(仲介)への未経験者の転職は、確かに一定の難易度が伴います。この分野は高度な専門性が求められ、信頼性の構築には時間と経験が必要です。しかし、法人営業経験者、特に銀行や証券会社の出身者には、その経験からくる顧客対応能力や金融知識などが、転職を成功に導く可能性を秘めています。

 

未経験者の難易度

未経験者がM&Aアドバイザリーに転職するには、いくつかの課題が待ち受けています。その難易度を具体的に見てみましょう。

 

  1. ①専門性の要求

    M&Aアドバイザリーは極めて専門的で多岐にわたるスキルが要求されます。法務、財務、戦略など、これらの分野の深い理解が求められます。未経験者はこれらのスキルを習得する必要があり、業界特有の知識や法的な理解を習得するためには時間がかかります。学習曲線は緩やかであり、異なる分野への適応力が試されます。

    この点では、専門的なトレーニングや業界での実務経験の不足がハードルとなります。ただし、未経験者は新しい領域に飛び込む柔軟性を持っており、その向上心が大きなアセットとなります。

 

  1. ②信頼性の構築

    M&Aアドバイザリーの成功はクライアントとの信頼関係に大きく依存します。未経験者はこれを築くまでに時間がかかり、既存の経験者と比較して信頼を得るのは容易ではありません。しかし、これは慎重で一貫性のある仕事と、成功事例を積み重ねることで克服できる課題です。

    新しいフィールドでのスタートでは、信頼を勝ち取るためにはより一層のコミットメントが求められます。未経験者はクライアントとの密な連携を通じて信頼を築き上げ、自身の専門性を証明していく必要があります。

 

  1. ③市場理解の欠如

    M&Aアドバイザリーは常に変化する市場状況に即応する必要があります。未経験者は業界のトレンドや市場動向に対する理解が不足しており、これを補うために積極的な情報収集と学習が必要です。競合他社や成功事例に対する理解も不可欠です。

    新しい分野への進出では、市場のダイナミクスを理解するための主動的な取り組みが求められます。未経験者は迅速かつ効果的に市場を読み解き、自らの立ち位置を見極める必要があります。

 

  1. ④交渉の難しさ

    M&Aのプロセスにおいて、交渉は重要な要素です。未経験者はクライアントとの交渉の難しさに直面します。価値の最大化やリスクの最小化を図るためには、巧妙な交渉術や戦略が必要です。これは実践と経験に裏打ちされたスキルであり、未経験者にとっては克服が難しい側面があります。

    新たな交渉相手とのやり取りでは、柔軟性と分析力が不可欠です。未経験者は状況を素早く理解し、戦略的に交渉を進める手腕を身につけることが肝要です。

 

 

法人営業経験者の利点

法人営業経験者がM&Aアドバイザリーに転職する際には、既に得られているいくつかの利点が存在します。

 

  1. ①顧客対応経験

    法人営業経験者は、既に企業や法人クライアントとのコミュニケーションや交渉のスキルを有しています。これはM&Aアドバイザリーにおいても非常に有益であり、クライアントの期待に応える力があります。

    これに加えて、法人営業の経験者はクライアントのニーズを理解し、適切な提案を行う能力を既に身につけています。M&Aのコンテキストでこれらのスキルを展開することで、円滑なコミュニケーションが期待できます。

 

  1. ②出身業界の知識(特に金融機関出身者は金融知識の有無)

    銀行や証券会社出身者は、金融に関する深い知識を有しています。これはM&Aアドバイザリーにおいて特に重要であり、財務分析や企業評価の理解が転職を有利に進めるでしょう。

    法人営業経験者以外の場合、経験業界の知識が利点となります。特定の業界における取引や市場動向についての理解が、クライアントへの価値提供につながります。

 

  1. ③ネットワークの活用

    法人営業経験者は、既にビジネスネットワークを築いていることが多いです。これは新たなクライアントやビジネス機会を開拓する上での強力なツールとなります。

    特に法人営業の経験者は、幅広い業界とのコネクションを持っています。M&Aアドバイザリーにおいては、これらのコネクションを活かして新たなビジネスチャンスを見つけ出すことが期待されます。

 

  1. ④戦略的思考と計画性

    法人営業経験者は通常、戦略的な思考と計画性が求められる状況で働いています。これはM&Aのプロセスにおいても非常に有益であり、クライアントに対して長期的なビジョンや計画を提供する能力が期待されます。

    法人営業経験者は市場の動向や競合状況を的確に分析し、それに基づいて効果的な戦略を立てることに慣れています。M&Aアドバイザリーでの成功には、このような戦略的なアプローチが不可欠です。

 

まとめ

未経験者がM&Aアドバイザリーに転職するのは容易ではありませんが、法人営業経験者、特に金融業界の出身者には明確なアドバンテージがあります。学習意欲、継続的なスキル向上、そして信頼性の構築が成功の鍵となります。未経験者が転職を検討する際には、これらのポイントに焦点を当て、自身の経験をどのように活かせるかを的確に伝えることが重要です。また、業界のトレンドや最新の情報を把握することも重要であり、それによって自身の価値を高めていくことができます。

 

 

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林健太郎…中之島キャピタルでM&Aコンサルタントを経験。成約も複数件経験し、マネージャーとして勤務後、M&A専門人材紹介会社のNewMA株式会社を設立。