華やかなイメージのあるM&Aコンサルタントに興味はあるものの、「M&A仲介はやめとけ」と聞いて転職を躊躇している方も多いのではないでしょうか。
M&A業界は高い報酬水準やニーズの大きさから注目を集める一方で、成果主義や長時間労働といった過酷な面があるのも事実です。十分な情報収集や自己分析を行わずに転職すると、理想と現実のギャップに直面し、早期離職につながる恐れがあります。
本記事では、M&A仲介業界が「やめとけ」と言われる理由や、転職するメリットについて解説します。M&A仲介への転職で後悔したくない方は、ぜひ最後までお読みください。
M&A仲介はやめとけと言われる理由は以下の通りです。
・労働時間が長い
・数字に追われてプレッシャーがかかる
・交渉の難易度が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
M&A仲介の業務は忙しく、労働時間が長い傾向にあります。日中は売り手・買い手企業との面談や商談、契約交渉、デューデリジェンス(買収前監査)対応に追われます。日が暮れてからも候補先リストの作成、提案資料の準備、財務分析、評価レポートの作成、資料の精査などを行わなければなりません。
そのため長時間労働を覚悟して転職した方でも、実際に働き始めるとギャップを感じることがあるでしょう。また、業務時間外での自己研鑽も欠かせません。財務・法務・税務に関する知識が求められるため、退勤後も仕事関連の時間を確保する必要があるのです。
成果主義の企業が多いM&A仲介では、プレッシャーを感じる場面が多いのが特徴です。案件の成約件数や売上高が評価や報酬に直結するため、常に結果を求められます。
特に入社1年〜2年目のうちは、十分な経験がない中でも数字を追いかけなければならず、強いストレスを感じやすいタイミングです。結果が出なくて居場所がないと感じることで、早期離職につながるケースもあります。
また成果を出せば収入は大きく伸びますが、成約がなければ基本給のみという企業も多いです。数字を出し続けなければ評価されない環境は、人によっては大きな負担となるでしょう。
交渉では売り手と買い手、それぞれの事情や思惑を踏まえ、条件をすり合わせていく必要があります。価格やスケジュールの調整だけでなく、経営方針や社員の処遇といった要素も絡むため、単なるロジックだけでは前に進まない場面が多々あります。
また、買い手と売り手で少しの認識のズレがあるだけで、破談になるケースも珍しくありません。そのためM&A仲介担当者は、交渉の場だけでなく、事前準備から慎重かつ丁寧に対応が求められるのです。
M&A仲介がやめとけと言われる背景には、こうした働き方の厳しさや成果に対する強いプレッシャーがあります。実情を理解したうえで、自分がその環境に適応できるかどうか慎重に判断しましょう。
なお、M&A業界への転職で後悔するポイントは「こんなはずじゃなかった!M&A 転職で失敗したと感じるポイントは?後悔のない転職のポイントも」の記事で解説しています。
やめとけと言われるM&A仲介ですが、デメリットばかりではありません。ここでは、M&Aコンサルタントとして働くメリットを解説します。
M&Aコンサルタントの大きな魅力の一つが、実力次第で高年収を狙える環境が整っていることです。多くのM&A仲介会社では、成果報酬型の給与体系を採用しており、案件を成約させればインセンティブとして高額の報酬が支払われます。
インセンティブ比率が高く、成果を出せば出すほど報酬が伸び、年齢や社歴に関係なく収入アップが可能です。営業職の中でも個人の努力と実績がダイレクトに反映される職種であるため、数字に強くて自らチャンスを切り開ける方は高年収を実現できるでしょう。
もちろん、成果が出なければ収入が基本給のみになるリスクもありますが、その分「努力が正当に報われる仕事」として、やりがいを感じやすいのもM&A仲介の特徴です。
M&Aコンサルタントは、企業買収・売却のプロセスを通じて濃密な経験を積むことが可能です。案件ごとに関わる業界や企業規模はさまざまで、金融・製造・IT・医療・サービスなど、多種多様なビジネスモデルに触れる機会があります。
案件を通じて学ぶのは、単なる営業スキルにとどまりません。企業価値評価、財務分析、税務・法務対応、契約交渉、クロージングといった一連の実務に深く関与するため、経営視点で物事を見る力が養われていきます。
また、M&Aというプロジェクト型の仕事特有の環境により、スピード感のある意思決定や問題解決スキルも磨かれます。業務で培ったスキルは、将来的に事業会社への転職、経営企画、さらには独立・起業といったキャリアにも直結する武器になるでしょう。短期間で幅広いスキルと実務経験を蓄積できるのは、M&Aコンサルタントならではの魅力です。
M&Aコンサルタントは、企業の未来を左右する意思決定に深く関与し、社会的にも重要な役割を担います。特に中小企業のM&Aは、事業承継や後継者不在という社会課題を解決する手段として注目されています。
例えば後継者不足で廃業せざるを得なかった企業が、M&Aによって新たなパートナーを得ることで、事業を継続して従業員の雇用を守ることが可能です。
またM&Aを通じて企業の成長を支援することで、新たな投資や雇用が生まれることもあります。クライアントから「あなたがいなければこの会社は続かなかった」と言われるような場面に立ち会えるのは、他職種ではなかなか得られない経験です。
ここまでM&A仲介がやめとけと言われる理由や、転職するメリットを解説してきましたが、実際に「入社後に後悔しないか」「自分は本当に向いているのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。M&A仲介への転職で後悔しないためには、M&A業界に特化した転職支援サービスの活用がおすすめです。
特にNewMAは、M&A業界で実務経験を積んだ専任アドバイザーが、キャリア相談から選考対策までワンストップで行います。無料での個別相談も可能なので、M&A業界に対する理解を深めたい方や、自分の適性を客観的に見極めたい方は、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。
M&A仲介は、高い報酬や成長機会に恵まれた魅力的な業界である一方で、激務や成果主義といった厳しい側面もあります。実際に「やめとけ」と言われる理由の多くは、その過酷な実態に起因しているでしょう。
しかし、自分の志向性やキャリアビジョンとしっかり向き合い、業界に対する理解を深めたうえで転職に臨めば、M&A仲介として長期的な成功を実現できます。
もしM&Aコンサルタントとしての適性に不安な場合は、M&Aに特化した転職支援サービスを活用してから判断してみてはいかがでしょうか。客観的な視点から、M&A仲介という仕事が自分に向いているか慎重に見極められます。
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