M&A界隈に転職する前に理解しておくべきこと?仕事内容や年収も解説

2024.08.18
転職ノウハウ

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M&A界隈は、高度な専門性と優れたビジネススキルが求められる領域であり、転職を検討する際にはその特性を理解することが重要です。M&A界隈では企業の合併や買収を支援し、ビジネス戦略の成功に寄与する役割を果たします。

その仕事内容や年収について正確な理解を持つことは、転職への第一歩となるでしょう。本記事では、M&A界隈に転職を考える方々に向けて、仕事内容や年収などについて詳細に解説していきます。

 

 

M&A界隈の仕事内容は?

M&Aには、幅広い法律知識と豊富な経験が必要です。また、業務内容には高度な専門性が求められることが多く、企業間取引は自己完結することが難しい場合が少なくありません。この節では、M&A界隈で行われる業務について詳細に解説します。

 

案件の開拓

M&Aを考える上で、最初に着目すべき点は、適切な取引先を探すことです。M&A戦略を練り、企業や事業の買収を検討しても、適切なパートナーを見つけることは容易ではありません。そのため、M&Aを展開する企業は、通常、こちらの業界を主力として事業展開を行っている傾向があります。

 

バリュエーション

M&Aにおいて、対象となる企業や事業の価値を評価し、取得価格が確定されるプロセスが一般的です。この際、価値を決定する行為は、バリュエーションとして知られています。バリュエーションには、実務上用いられる複数の手法が存在し、それらを用いて計算が行われます。ただし、自社で取得価格を算出することは非常に複雑であるため、一般的には専門家に依頼されます。

 

条件交渉及び契約書交渉などのサポート

M&Aの展開に際して、条件交渉や契約書交渉といった支援は、幅広い知識と経験が必要な重要な段階です。M&Aにおける条件交渉は、過去の実績に基づく専門知識を活かす専門家が担う専門分野と言えます。

 

デューデリジェンス

デューデリジェンスは、買収対象企業の調査を行う手続きです。財務、税務、法務など、多岐にわたる領域から詳細な調査を実施し、買収時のリスクや買収後の改善点を把握します。

 

資料・契約書の作成業務

M&Aを推進する際、文書作成や契約書の作成業務は不可欠です。しかし、日常業務を並行して行いながらM&Aを進める必要があるため、全てを自社内で処理することは非常に困難であると言えるでしょう。

さらに、契約書には法的な専門知識が必要とされ、社内でそれを完結させることも難しいことがあります。そのため、契約書の作成などは一般的には専門家に委託することが一般的とされています。

もちろん、専門家に依頼することで費用が発生するため、その範囲は慎重に検討したうえで依頼することになるでしょう。

 

PMI(経営統合作業)

M&Aを実施するだけでなく、その後のPMI(経営統合作業)も重要な業務であると考えられます。自社と買収先を適切に統合できないと、期待した効果が得られない可能性があり、M&Aが失敗することもあります。

そのため、PMIはM&Aにおいて最も重要な業務の一つと位置づけられており、スピーディかつ効果的に進める必要があります。

 

M&A界隈の職種は?

ここではM&A界隈の職種について解説していきます。

 

M&Aコンサルタント

M&Aの取引におけるソーシング、経営者との交渉、アドバイザリー契約の獲得、買い手企業の適合検討、取引執行、取引完了までの一連のプロセスを担当します。売り手・買い手企業と交渉を行い、中立的なポジションからM&A取引の成立に導くサポートを提供します。

どの業界にアプローチし、売り手・買い手両者のニーズを結びつけるか、創造的な発想力が必要です。買い手チームと売り手チームを分けてクライアントを支援する企業や、一人のコンサルタントが売り手と買い手の両方を支援する企業に分類され、採用方法もそれに準じて行われます。

 

インサイドセールス

M&Aにおける分析と資料作成を担当し、買受企業に提案資料となる企業概要書(IM)を作成する他、譲渡企業から収集した財務資料に基づき企業価値評価を行う役割を担います。また、LOI/SPAの契約書作成やデューデリジェンスに向けた資料準備、質疑応答支援など、M&Aの実務を主に担当します。

 

アナリティクス(エグゼキューションサポート)

専門的な知識を駆使して、M&Aにおける分析や資料作成を担当し、譲渡企業の企業概要書(IM)の作成や企業価値評価などに携わります。また、契約書の作成やDDに関連する文書の準備や質疑応答の支援など、M&Aの実務を主に担当します。

 

 

M&A界隈の年収とは?

M&Aの分野では、収入は基本給と成果報酬で規定されます。M&A案件の手数料は平均で約5,000万円であり、インセンティブの割合は企業によって異なりますが、一般的には10%〜40%の範囲内で、最も一般的なのは20%です。

 

新入社員は1年目には0〜1件の成約で年収は約1,000万円になりますが、2年目には複数の案件で成果報酬が発生し、年収は1,000万円から2,000万円になります。続いて3年目以降は、優れた実績を上げた方々は3,000万円から5,000万円以上を達成することも少なくありません。

 

一方、成果による報酬が得られない場合は、年収は1年目と同じ500万円に戻ります。高い成果報酬を受け取る一方で、その分不安定さも伴うこの職業の利点や欠点を理解しておくことが重要です。

 

管理職への昇進には、実績や成果が必要です。部長の基本給は平均で1,000万円から1,500万円程度であり、部下の業績支援により、それに見合った成果報酬も得られるため、年収全体では約3,000万円になるでしょう。

 

M&A界隈にはどんな人が向いている?

ここではM&A界隈にはどんな人が向いているのかについて解説していきます。

 

M&A界隈の再編に興味がある

M&Aを用いた事業への参入は、業界再編や企業統合などの大規模プロジェクトに関わる機会を増やすことができます。現代の厳しいビジネス環境では、市場の縮小に立ち向かいつつ、企業が持続的に成長するためには、M&Aや組織再編が不可欠です。

特に日本の少子高齢化の進行は、市場の縮小を加速させる可能性があります。そのため、多くの業界でM&Aの動きが活発化し、組織の再編や統合が増えると見込まれています。業界の変革に関わりたい人にとって、M&A業界は非常に魅力的な分野と言えるでしょう。

 

結果が形に残る仕事に憧れている

M&A界隈での職務は、プロジェクトの初期段階から最終遂行まで、綿密な関与が要求されます。多くのステークホルダーと協力してプロジェクトを促進する経験は、大きな達成感をもたらします。

さらに、社会的な注目を集める大規模なプロジェクトに関わることで、自身の業績が広く認知される機会も増えます。具体的な成果を追求する方にとって、M&Aの世界は最適な選択となるかもしれません。

 

積極的にキャリアを充実させていくことを求める

M&A業界における様々なチャンスは、キャリアの進展において幅広い成長機会を提供します。短期間で、会計、税務、人事、法務といった多様な業務領域で経験を積むことが可能です。

これらの経験は、将来のキャリアパスにおいて重要な優位性となるでしょう。M&A界隈での経験は、仲介会社、銀行、証券会社など、さまざまな分野でのキャリアチェンジに有益です。また、M&Aを積極的に展開する企業においても、その経験は高い評価を受けるでしょう。M&A界隈でのスキルと知識は、キャリアの大きな推進力となります。

 

まとめ

M&A界隈に転職を考える際には、仕事内容や職種、年収などについて理解しておくことが重要です。M&A界隈では、企業の合併や買収を支援するアドバイザーとして活動し、戦略的な提案や交渉を行う役割が求められます。

年収に関しては、M&A業界は高い報酬が期待できることが知られていますが、その分、厳しい競争や長時間労働も伴うことを理解しておく必要があるでしょう。

M&Aの世界への転職を考える際には、これらのポイントを踏まえて自己分析を行い、自身の適性や志向に合った職種や業界を選択することが大切です。しっかりと準備をして、自分にとって最適なキャリアを見つけるために努力を重ねていきましょう。

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林健太郎…中之島キャピタルでM&Aコンサルタントを経験。成約も複数件経験し、マネージャーとして勤務後、M&A専門人材紹介会社のNewMA株式会社を設立。