数ある企業の中でも、任天堂は就活生から高い人気を集める存在です。ゲーム業界を代表する企業であり、世界中に多くのファンを持つことから「ここで働きたい」と考える学生は少なくありません。
そんな任天堂の採用イベントは、一般的な就業体験型のインターンとは異なる形で行われています。
夏や冬の長期休みに合わせて実施されることが多く、事前に流れを知っておけば安心して準備を進められるはずです。
この記事では、任天堂のイベントの特徴や開催時期、参加するうえで意識したいポイントを整理しました。
志望を検討している方にとって、少しでも参考になる内容になれば幸いです。
社名 | 任天堂株式会社 |
事業内容 | 家庭用レジャー機器の製造・販売 |
代表 | 代表取締役社長 古川 俊太郎 |
設立 | 昭和22年11月 |
資本金 | 100億6500万円 |
売上高 | 1兆1,649億円(2024年度・連結) |
営業利益 | 2,825億円(2024年度・連結) |
株式上場 | 東京証券取引所プライム市場 |
国内拠点 | 本社:京都市南区上鳥羽鉾立町11番地1 本社開発棟:京都市南区東九条南松田町2番地1 宇治工場:宇治市槇島町薗場92番地15 東京支店:東京都千代田区神田錦町二丁目2番地1 KANDA SQUARE 8階 |
海外拠点 | アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、韓国、香港、台湾 |
従業員数 | 連結社員数 8,205名(2025年3月末現在) 単独社員数 2,962名(2025年3月末現在) |
平均年齢 | 40.2歳(2025年3月現在) |
平均勤続年齢 | 14.4年 |
平均年収 | 966万6,256円 |
任天堂が実施しているのは、一般的に想像される「就業体験型のインターンシップ」ではなく、学生向けの採用イベントです。
数週間にわたる職場実習というよりも、会社理解や社員との交流を重視した独自の形式が採られています。
この違いを理解していないと、他社と同じ感覚で準備を進めてしまい、思わぬ戸惑いにつながりかねません。
まずは「任天堂ではなぜインターンではなくイベントなのか」、その背景や具体的な内容をしっかり押さえておくことが大切です。
任天堂では、一般的に想像される就業体験型のインターンは実施されていません。
代わりに行われているのが、学生を対象とした採用イベントです。内容は数週間の実務ではなく、会社の理念や開発の現場を知ることに重きが置かれています。
こうした形式になっているのは、短期間の業務体験では分かりにくい「独創性」や「柔軟性」といった資質を大切にしているからです。イベントでは社員と直接話せる機会や、職種ごとに分かれた説明プログラムがあり、自分の強みや関心をどう活かせるのかを確認できる場になっています。
就活サイトやQ&Aには「任天堂のインターンが見つからない」といった声も見かけます。
26卒芸大生です。任天堂に入りたいのですが、インターンシップとかってやっていますか? 色々調べてもインターンシップとかないので… 応募選考の時に初めてコンタクトを取る感じでしょうか。
引用元:Yahoo!知恵袋(2024年4月30日投稿)
実際に公式サイトには「採用イベント」と明記されており、理工系・デザイン系・企画系などの分野別にプログラムが用意されているのが特徴です。
この取り組みは単なる就業体験ではなく、「任天堂を理解する」ことを目的としたものだといえます。参加することで、自分の価値観と企業文化の相性を確かめられるのも大きな魅力でしょう。
検索する人が期待するような長期の実務体験とは形が違いますが、将来を考える上で得がたい経験になることは間違いありません。
任天堂の採用イベントは、主に夏と冬を中心に行われています。おおよその時期を知っているだけでも、エントリーの準備や予定の見通しが立ちやすくなります。
開催はちょうど長期休みに入る頃に合わせて組まれており、授業や研究に追われている学生にとっても参加しやすい流れになっています。
年に複数回チャンスがあるので、一度うまく予定が合わなくても次の機会を狙えるのは安心できる点でしょう。
内容は専門分野ごとに違いがあり、理工系ならゲーム開発やネットワーク関連、デザイン系ではポートフォリオ相談や作品講評、サウンド系では音楽制作についてのプログラムなどが用意されています。自分の興味に合ったものを選びやすい仕組みになっているのも特徴です。
ただ、状況次第で日程がずれたり、オンライン開催に切り替わることもありました。確実に参加したいなら、任天堂の公式採用ページやSNSをこまめに確認しておくと安心です。
任天堂の採用イベントは、夏と冬の休暇シーズンを中心に実施されています。
理工系・デザイン系・サウンド系・制作企画系といった専門分野ごとに内容が分かれており、それぞれの領域に応じたプログラムが用意されているのが特徴です。
一方で、管理・営業系は対象外と公式に明記されています。
ここからは、分野ごとにどのようなイベントがあり、どの時期に開催されているのかを整理してご紹介します。
就活の時期になると、複数の企業が同じタイミングでインターンやイベントを行うため、予定が重なってしまうことがよくあります。
任天堂の採用イベントも夏と冬に集中しており、ソニーやスクウェア・エニックスといった大手ゲーム会社とぶつかるケースが目立ちます。
企業名 | インターン(イベント)開催時期 | 備考 |
---|---|---|
任天堂 | 夏(7~9月頃)・冬(11月~2月頃) | 「インターン」ではなく採用イベント形式。職種ごとに分かれたプログラムあり |
ソニーグループ | 夏(7~9月)・冬(1~2月) | 実務型インターンとセミナー型イベントを併用 |
スクウェア・エニックス | 夏(8月前後)中心、一部冬開催あり | 職種別に短期インターンやワークショップ形式 |
ニンテンドーキューブ | 冬(2月頃) | 任天堂子会社。「インターン」はないが、イベント形式で開催あり |
マリオクラブ | 夏(6月頃) | 任天堂子会社。「インターン」はないが、会社説明会実施あり。 |
表を見ても分かるように、人気企業は夏休みや冬休みの時期に集中しています。特に8月や2月は予定がかぶりやすく、興味のある会社が同じ週に並ぶことも珍しくありません。
だからこそ、早めに複数社の情報を照らし合わせて、自分がどこを優先するのかを決めておく必要があります。
任天堂のように「会社理解型イベント」を行う企業もあれば、ソニーやスクエニのように実務型を取り入れている企業もあります。同じ時期に開催されていても、体験できる内容には大きな違いがあるのです。
全体のスケジュールを見渡しながら準備をしておけば、迷わずに行動でき、限られたチャンスをしっかり活かせるはずです。
理工系のイベントは、任天堂のものづくりの心臓部に触れられる機会です。
ゲーム開発やハードウェア設計、ネットワークなど、普段はなかなか知ることのできない現場の話を直接聞けます。
数学や物理、プログラミングを学んできた学生には、自分の知識がどう応用されるのかを確かめられる貴重な場です。
分野ごとに特色が異なるため、実際に参加してみると、自分に合う領域がより鮮明に見えてきます。
<主な理工系イベント一覧>
[仕事紹介]ゲーム開発 |
実施概要 | ゲーム開発コース |
実施内容 | 任天堂のゲーム開発を担うエンジニアたちによる仕事内容や魅力紹介と座談会 ・ゲームプログラミングとは? ・モノづくりへのこだわり ・求められる専門知識と役割 |
必要となる経験や知識 | ・基礎的な数学 ・物理の知識 ・プログラミング経験 ・モノづくり経験(規模や分野は問いません) |
募集人数 | 20名程度 |
開催時期 | 12月上旬~12月下旬(2025年度の場合) |
実施方法 | 対面 |
会 場 | 京都・東京 |
交通費 | あり |
選考プロセス | エントリーシートによる書類選考 |
実施概要 | 検証工程QAコース |
実施内容 | 任天堂のゲーム開発部門のQAエンジニアたちによるゲーム開発の検証工程におけるQAの役割やその魅力紹介と座談会 ・検証工程QAの紹介 ・ケーススタディ ・エンジニアを交えた座談会 |
必要となる経験や知識 | ・情報処理分野における基礎知識 ・プログラミング経験 ・モノづくり経験(規模や分野は問いません) |
募集人数 | 20名程度 |
開催時期 | 12月(2025年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | エントリーシートによる書類選考 |
[仕事紹介]ハードウェア開発・システム開発 |
講演内容 | オンラインセミナー(合同講義) |
実施内容 | 任天堂のハードウェア開発・システム開発を担うエンジニアたちによる仕事内容や魅力紹介(電気電子技術・機械技術・システム開発 ・ハードウェア開発 ・システム開発について ・任天堂のモノづくりに対する考え方 ・ハード・システムソフトで新しい体験を創る |
必要となる経験や知識 | ・モノづくり経験(規模や分野は問いません) ・以下のいずれかに興味や関心があること 基板設計、システムLSI設計、無線設計、電源設計、 筐体・機構設計、 ユーザビリティ設計、 機構部品開発、 冷却システム設計、 製品評価検証、 OS、 デバイスドライバー、 ヒューマンインターフェース、 SDK、 グラフィックス(ハードウェアに近いドライバ層、ミドルウェア)、 オーディオ(ハードウェアに近いドライバ層、ミドルウェア)、 ゲームエンジン、 通信機能、 開発ツール、 システムソフトウェアテスト、 周辺機器ファームウェア |
開催時期 | 9月下旬(2025年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 申し込みのみ |
講演内容 | 対面形式仕事紹介(コース別講義) |
実施内容 | ・オンラインセミナー(合同講義)に対する質疑応答検証工程におけるQAの役割やその魅力紹介と座談会 ・職種別講義(ハードウェア開発コース、システム開発コース) ・質疑応答 |
必要となる経験や知識 | ハードウェア開発コース ・電気・電子系の基礎知識、または機構系の基礎知識 システム開発コース ・プログラミング経験 |
募集人数 | 20名程度 ※ オンラインセミナー(合同講義)未参加の場合対象外 |
開催時期 | 11月下旬(2025年度の場合) |
実施方法 | 対面 |
会 場 | 京都・東京 |
交通費 | あり |
選考プロセス | エントリーシートによる書類選考 |
オンラインセミナー ネットワークサービス開発 |
講演内容 | ネットワークサービス開発コース |
実施内容 | ネットワークサービスに関わる基本的な内容、8つの分野のエンジニアの仕事内容・魅力について開発事例など紹介 ・任天堂ネットワーク基礎 ・8つの分野(フロントエンド開発、スマートデバイスアプリケーション開発、システムソフトウェア開発、ゲームネットワーク開発、バックエンド開発、サーバーインフラ開発(SRE)、分析基盤開発、セキュリティ対策) |
必要となる経験や知識 | なし |
開催時期 | 7月~(2025年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 申し込みのみ |
オンライン仕事紹介 コーポレートIT |
実施概要 | オンラインセミナー・オンライン座談会 |
実施内容 | エンジニアたちによるコーポレートITの仕事内容や魅力紹介(日程により座談会あり) |
必要となる経験や知識 | プログラミング経験(Webデザインやシェルスクリプト含む) |
開催時期 | 12月~2月(2024年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 申し込みのみ |
デザイン系イベントでは、作品の見せ方や現場での考え方に触れられます。
オンラインが中心なので、地方に住んでいても参加しやすいのが嬉しいポイントです。
セミナーでは、現場で実際に使われているポートフォリオの例を見られるので、準備中の学生にとって大きな参考になります。
相談会に参加すれば、自分の作品を客観的に見直すきっかけにもなるでしょう。
<主なデザイン系イベント一覧>
オンラインセミナー ソフトウェア制作 |
講演内容 | ゲーム開発 デザイナーの仕事 |
実施内容 | 第1部「ソフトウェア制作デザイナーの仕事紹介」 ・職場の様子 ・職種紹介(UI/UX・エフェクト・ステージ・キャラクター・カットシーン・CGスペシャリスト) 第2部「ポートフォリオ紹介」&「よくある質問」 ・ポートフォリオ紹介 ・よくある質問 |
必要となる経験や知識 | なし |
開催時期 | 12月~1月(2024年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 申し込みのみ |
オンラインセミナー ハードウェア制作 |
講演内容 | プロダクトデザイナーの仕事 |
実施内容 | 先輩社員が実例を交えながら任天堂のプロダクトデザインの仕事について紹介 |
必要となる経験や知識 | なし |
開催時期 | 11月~12月(2025年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 申し込みのみ |
オンラインセミナー アートワーク制作 |
講演内容 | アートワーク制作デザイナーの仕事 |
実施内容 | アートワーク制作にまつわるさまざまな仕事を紹介 ・グラフィックデザイン ・イラストレーション ・3DCGモデリング |
必要となる経験や知識 | なし |
開催時期 | 11月~12月(2025年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 申し込みのみ |
オンライン 社員懇談会&ポートフォリオ相談会ソフトウェア制作 |
実施内容 | ・社員懇談会 ・ポートフォリオ相談会 |
必要となる経験や知識 | ポートフォリオ相談会は各職種ごとに応募要件あり。 「ステージデザイン」「キャラクターデザイン」「UI/UXデザイン」「エフェクトデザイン」「カットシーンデザイン」「CGスペシャリスト」の全6職種 ※応募要件の詳細は公式サイトで要確認 |
開催時期 | 2月(2024年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | エントリーシート、ポートフォリオによる選考 |
サウンド系は、音楽や効果音作りに興味がある学生には見逃せない内容です。
実際に京都の会場で社員と交流できるプログラムもあり、オンラインだけでは伝わらない空気感を味わえます。
実際の制作に触れながら、音づくりの面白さや難しさを体感できるのが魅力です。
座談会や少人数制ワークショップでは、先輩社員と近い距離でやり取りできるのも心強いポイントです。
<主なサウンド系イベント一覧>
[仕事紹介&座談会]サウンドデザイン |
実施内容 | 第1部「任天堂のサウンドデザインの仕事」 第2部「座談会」 |
必要となる経験や知識 | なし |
募集人数 | - |
開催時期 | 8月下旬(2025年度の場合) |
実施方法 | 対面 |
会 場 | 京都 |
交通費 | あり |
選考プロセス | 開示なし |
オンラインセミナー |
講演内容 | サウンド系コース |
実施内容 | 第1部 「任天堂のサウンドの仕事」 第2部 「質疑応答」 |
必要となる経験や知識 | なし |
開催時期 | 11月(2024年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 先着順 |
ワークショップ |
実施概要 | サウンドクリエイターコース |
実施内容 | ・仕事紹介 ・ゲームサウンド制作ワークショップ ・座談会 |
必要となる経験や知識 | ・音に対する幅広い興味 ・関心を持っている方 ・モノづくり経験がある方(規模や分野は問いません) 以下の知識や経験を有する方歓迎 ・音楽理論 ・音声収録 ・音声波形の編集 ・音声信号処理 ・空間音響設計 |
募集人数 | 各回10名程度 |
開催時期 | 2月下旬(2025年度の場合) |
実施方法 | 対面 |
会 場 | 京都 |
交通費 | あり |
選考プロセス | エントリーシートによる選考 |
制作企画系のイベントは、ゲームが形になるまでの流れを理解し、企画職の役割を知ることを目的としています。
オンライン形式で、若手社員の体験談や座談会を通じて「任天堂らしい企画力」に触れられるのが特徴です。
制作企画系イベントは、発想力や論理的思考をどのように活かすかを考えるきっかけになります。
単なる説明ではなく社員とのやり取りを通じて、企画職として求められる姿勢を実感できる内容になっています。
<主な制作企画系イベント一覧>
オンラインセミナー |
講演内容 | 制作企画系コース |
実施内容 | 第1部「ゲームができるまで」 第2部「制作企画系:若手社員の仕事紹介」 第3部「社員座談会」 |
必要となる経験や知識 | なし |
募集人数 | - |
開催時期 | 9月中旬(2025年度の場合) |
実施方法 | オンライン |
選考プロセス | 先着順 |
任天堂は多様な分野でイベントを開いていますが、管理や営業系だけは例外です。
公式サイトでも「採用イベントの実施予定はありません」と明記 されています。
※ 管理・営業系の採用イベントについては、実施の予定はありません。
引用元:任天堂|新卒採用情報 イベント
そのため、管理・営業系を希望する場合は、採用イベントではなく通常の新卒採用フローに進むことになります。
対象職種を正しく理解しておけば、情報収集の方向性を見誤らず、効率的に準備を進められるはずです。
任天堂の採用イベントは、単に仕事を体験する場ではありません。会社の考え方や雰囲気を学生に伝えることを大きな目的としています。
イベントの中では、社員との会話や現場の話を通して「どうやって面白さを形にしていくのか」を知ることができます。
任天堂が大切にしているのは、技術力だけではなく、発想の柔らかさや人とのつながりを活かす姿勢です。短期間のインターンでは見えにくい部分を、直接感じられるよう工夫されています。
こうした取り組みは、参加者にとって「自分の強みがこの会社でどう生きるのか」を考えるきっかけになります。
任天堂が重視している価値観に触れることで、単なる企業研究を超えた学びが得られるはずです。
任天堂が人材に求める姿勢として挙げているのが「独創性・柔軟性・誠実さ」です。
単なる理想論ではなく、実際の仕事の中で社員が大切にしている価値観として根付いています。
独創性
任天堂の存在意義は、新しい楽しさと面白さを提供し続けることにあります。私たちは良い意味で他と違うもの、ユニークで驚きを生むことに大きな価値をおきます。あきらめることなくそれを追求し、新しいことに挑戦します。
柔軟性
急激に変化する世の中に、素早く対応しなければ、私たちは生き残れません。条件や環境が変われば、最適な答えも変わります。過去の成功法則や常識にとらわれず、変化に柔軟に対応します。
誠実さ
小さな信用の積み重ねが大きな変化を生み出します。決してうぬぼれず、謙虚な心を忘れず、すべてのことに真面目に向き合います。進歩するために、私たちは日々反省し、努力します。
新しい遊びをつくるときには、正解のない挑戦に踏み出す独創性が欠かせません。
計画どおりに進まないことも多く、そうしたときに柔軟に切り替える力が生きてきます。そして、周囲と真摯に向き合いながら信頼を積み重ねていく誠実さが、任天堂のものづくりを支えてきました。
イベントに参加すると、この3つのキーワードがスローガンではなく、社員一人ひとりの言葉や態度として自然に伝わってくるはずです。
任天堂の採用イベントでは、社員と直接話す時間が設けられています。
仕事内容の説明だけでなく、日々の工夫や考え方を率直に聞けるので、企業文化を体感できるのが魅力です。
そうしたやり取りの中で、「自分の強みはどこに合うのだろう」と考えるきっかけが生まれます。
柔軟な発想を得意とする人は、アイデアをどう形にしていくかに共感できるでしょうし、人と協力して成果を出してきた人は、チームの雰囲気に自然と惹かれるかもしれません。
参加後に、自分の姿をこの会社に重ねて思い描けるようになれば、それだけで大きな収穫になるはずです。
任天堂で働く人たちを見ていると、本当にいろいろな背景を持った社員が集まっていることが感じられます。
年齢や性別、国籍にとらわれず、多様な人材を受け入れる方針があるからこそ、「多様性」という言葉が自然に浮かぶ職場といえるでしょう。
さらに特徴的なのは、社員アンケート制度がある点です。
個人の成長やチームでの協働の状況を確認するために、1年に1回、「個人の能力発揮」「チームでの協働」「上司への信頼」の観点から、アンケートを実施しています。その結果を分析し、よくない兆候があれば改善へ向かうような働きかけを行うなど、結果をもとに人事施策につなげています。
「こうなればもっと働きやすい」という声をすくい上げながら制度を見直しており、その積み重ねが安心できる環境につながっています。
小さな改善の積み重ねが、社員一人ひとりの力を生かしやすくし、仲間と協力して成長していける土台をつくっているのです。
任天堂の新卒採用は、プレエントリーから始まり、選考を経て内定に至るまでいくつかの段階があります。
流れを前もって知っておけば、慌てることなく準備を進められます。
これから紹介するのは、その一連のステップです。
職種ごとに違いもあるので、自分に関係する部分を意識しながら確認してみてください。
【職種ごとの採用フロー】
職種 | 採用フロー |
---|---|
理工系 | 1.プレエントリー 2.エントリーシート提出・WEB試験 3.書類選考 4.試験、面接(複数回) 5.内々定 |
デザイン系 | 1.プレエントリー 2.エントリーシート・作品提出 3.書類選考 4.試験、面接(複数回) 5.内々定 |
サウンド系 | 1.プレエントリー 2.エントリーシート・課題作品提出 3.書類選考 4.試験、面接(複数回) 5.内々定 |
制作企画系 | 1.プレエントリー 2.エントリーシート・課題提出 3.書類選考 4.試験、面接(複数回) 5.内々定 |
管理・営業系 | 1.プレエントリー 2.エントリーシート提出・録画面接・WEB試験 3.書類選考 4.試験、面接(複数回) 5.内々定 |
任天堂の採用は、まずプレエントリーから始まります。
公式サイトの募集要項ページで基本情報を入力すると、応募者ごとに専用の エントリーID が発行されます。このIDは、後の手続きや選考に使われる大切な番号です。
同時にマイページが開設され、任天堂からの連絡はすべてそこを通じて行われます。エントリーシートの提出依頼やイベント案内、選考結果の確認まで、このページが就活の拠点になります。
もしプレエントリーを済ませていなければ、エントリーシートを出すことも、任天堂からの案内を受け取ることもできません。
つまり、選考に進むための入り口がプレエントリーなのです。
早めに登録しておき、マイページを常に確認できるようにしておくと、落ち着いて次のステップに進めます。
プレエントリーが終わったら、次に待っているのがエントリーシートです。多くの学生が最初に感じる「本格的な選考が始まった」という実感を抱く段階ともいえるでしょう。
理工系や管理・営業系を希望する場合、エントリーシートだけでなくWEB試験もあり、どちらもきちんとクリアしないと、面接などの次の段階には進めません。
このエントリーシートとWEB試験が、企業側に自分という人間を初めて知ってもらえるチャンスになります。
他の企業の選考とも重なって慌ただしくなりがちな時期ですが、早めに手をつけておくと気持ちにゆとりが生まれます。
焦って雑な内容になってしまうより、時間をかけて丁寧に準備した方が結果につながりやすいでしょう。
任天堂の採用では、共通の流れがありながらも、職種によって少しずつ求められる内容が変わってきます。
理工系や管理・営業系はWEB試験を受けるのに対し、デザイン系ではポートフォリオの提出が欠かせません。これまで取り組んできた作品を提出することになり、見た目の完成度だけでなく、どんな工夫や考え方で作ったのかも伝わる場面といえるでしょう。
サウンド系や制作企画系では、あらかじめ定められた課題を提出します。音楽制作や企画立案など、専門分野に沿ったテーマに取り組むことになり、自分なりの発想をどう形にできるかが評価の対象になります。
WEB試験で適性を確かめる職種とは違い、これらの職種では成果物そのものが大きな判断材料になるのが特徴です。
どの職種でも、準備の仕方ひとつで結果に影響が出ることは珍しくありません。早めに内容を確認して少しずつ進めていけば、締切前に慌てることもなく落ち着いて取り組めます。仕上がった作品や課題は、次の選考につながる大切な一歩になるはずです。
任天堂の採用イベントは、理工系・デザイン系・サウンド系・制作企画系といった分野ごとに内容が分かれており、それぞれに参加の方法や準備のポイントがあります。
共通していえるのは、募集枠に限りがあるため、案内が出た段階で素早く行動できるよう備えておくことが大切だということです。
以下では、職種ごとにイベントの特徴と参加に向けた準備のヒントを整理していきます。
理工系向けのイベントには、大きく分けて二つのタイプがあります。
ひとつは先着順で申し込めるもので、告知が出るとすぐ埋まってしまうこともあるので、気づいたときにすぐ動けるようにしておくと安心です。
もうひとつはエントリーシートを出して参加するタイプです。特別な成果がなくても心配はいりません。授業や研究でやってきたことを、自分なりにまとめて書ければ十分です。「ここで学んだことをどう使えるか」「そこからどんな考えにつながったか」といった視点を少し添えると、自然と伝わりやすくなります。
イベントそのものでは、ゲーム開発やネットワークの話題に触れることが多いので、基本的なプログラミングや情報処理を軽く見直しておくと理解しやすいでしょう。
あまり難しく考えすぎず、自分の得意な分野をどう活かしたいかを意識して臨めば、学びの実り方も変わってきます。
デザイン系のイベントには、社員に直接ポートフォリオを見てもらえる相談会や、現場の空気を知れるオンラインセミナーがあります。
先着順で参加できるものもありますが、エントリーシートや資料の提出を通して参加が決まる場合もあります。
大事なのは、作品そのものの出来よりも、「なぜその表現を選んだのか」「どんな工夫をしたのか」といった思いの部分です。ほんの一言でも、自分の考えを添えておくと、見え方がずいぶん変わってきます。
オンラインセミナーでは、いろいろな分野の社員が話をしてくれるので、聞いているうちに思いがけないヒントを得られることもあります。
相談会やセミナーで気づいたことを、次の制作に少しずつ取り入れていく…。そうした積み重ねが、自然とポートフォリオを豊かにしていくことにつながります。
サウンド系のイベントでは、ゲーム音楽や効果音の制作にふれるプログラムが行われています。先着順で参加できるものもありますが、あわせて作品や課題の提出が求められるイベントもあります。
そのときに大切になるのは、曲の完成度だけではありません。「どんな工夫をしたのか」「なぜその表現にしたのか」といった背景をきちんと伝えることが、作品の見え方を大きく変えてくれます。授業で作った曲でも、少し説明を添えるだけで印象が違ってくるものです。
イベントでは、社員からアドバイスを受けられる機会もあります。自分の制作経験をどう音に活かしてきたかを整理して参加すれば、フィードバックを次に結びつけやすくなり、思わぬ発見が得られる時間になるでしょう。
制作企画系のイベントでは、企画の仕事に欠かせない「発想力」と「論理性」に触れられるプログラムが行われています。アイデアを思いつくだけでなく、それをどう組み立てて人に伝えるかという観点から、社員の考えや実際の取り組みを知ることができます。
イベントは先着順で申込みが行われる形式が多く、募集開始を見逃さずに行動できるかどうかが参加への鍵になります。定員が限られているため、情報を早めにキャッチして準備を整えておくと安心です。
参加すれば、社員が日ごろどのように企画を考えているのかを直接聞ける機会があります。普段からゲームやサービスを見て「なぜこうなっているのか」「自分ならどう工夫するか」と考える習慣を持っていると、イベントでの理解が深まり、自分の発想を磨くきっかけにもなるでしょう。
任天堂の採用イベントについて調べていると、「開催はいつなのか」「応募方法はどうすればいいのか」といった声が多く聞かれます。
公式サイトにも基本的な情報は掲載されていますが、初めて就活に臨む学生にとっては不安が残る部分もあるでしょう。
ここでは、実際に寄せられることの多い質問を取り上げながら、任天堂の採用イベントの流れを整理していきます。
気になる点を一つひとつ確認していけば、参加までの道筋がはっきりしてくるはずです。
任天堂が行うのは「就業体験型インターン」ではなく、採用イベントという形です。そのため、イベントに参加したからといって直接的に内定に結びつくわけではありません。
※本イベントは、任天堂の採用選考活動とは一切関係なく行うものです。
ただし、社員の話を聞いたり、仕事内容を知ったりすることで理解が深まり、その後の選考準備に役立つ場面は多いでしょう。
イベントで得た気づきをもとに、自分の志望理由を整理しておくと本選考でも説得力が増すはずです。
任天堂の採用イベントは、例年夏と冬を中心に実施されています。
多くの学生が夏休みや冬休みに入る時期に合わせて行われるため、学業や他社選考と両立しやすいのが特徴です。
年度によっては日程の変更やオンライン形式での開催もあるので、公式サイトや採用SNSを定期的に確認しておくと安心です。
公式サイトには「管理・営業系の採用イベントについては実施予定はありません」と明記されています。
そのため、他の職種のようなイベントは用意されていません。
ただし、本選考では管理・営業系の募集も行われているため、イベントの有無にかかわらず応募は可能です。
志望する場合は、公式の募集要項ページを早めに確認しておくとよいでしょう。
任天堂の採用イベントは参加費無料で実施されています。
加えて、遠方から参加する場合には会社規定に沿って交通費が支給されると明記されています。
※ 参加会場は原則、現住所に最も近い会場にてお申し込みください。 なお、遠方からお越しになる場合は当社規定の交通費を支給いたします。
宿泊が必要な場合は基本的に自己手配となりますが、移動にかかる負担を軽くできるのはありがたい点です。
オンライン開催が選択される年度もあるため、最新の案内を確認して準備しておくと安心です。
任天堂の採用イベントは、いわゆるインターンシップとは少し違う形ですが、会社の姿勢や職場の雰囲気に触れられる大切な場になっています。
夏や冬に行われることが多く、理工系やデザイン系、サウンド系、企画系など、それぞれに合わせた内容が用意されています。
もちろん、このイベントに参加したからといって内定が保証されるわけではありません。
ただ、社員と話す中で得られる気づきや、自分の専攻をどう生かせるかを考える時間は、今後の就活にとって大きなヒントになるはずです。
情報は公式サイトで更新されていきますので、こまめにチェックしておくのがおすすめです。
人気企業だからこそ、早めに動いておくことが安心につながりますし、結果として自分らしい形で挑めるきっかけにもなるでしょう。