M&A仲介からの新たなキャリアアップ先とは？M&A人材が求められる業界を紹介

業界再編のカギを握ると言われているM&Aの仕事は、いくつかの専門的なスキル、基本的な営業力や交渉力を必要とします。人材としての市場価値は高く、キャリアアップ先も多様です。
年収アップのみならず、ワークライフバランスの見直しや別方向へのキャリア設計など、新たな道は開かれています。
本記事では、M&Aからのキャリアアップをテーマに、新たな転職先をいくつかピックアップしてみました。
M&A仲介からのキャリアアップが気になる人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

キャリアアップを見据えたM&A 業界からの転職先

M&A業界からの有力な転職先を6つピックアップしてみました。

M&A仲介企業への転職

同じ業界内ですが、キャリアアップを目的とした転職でよく選ばれています。
年収をアップさせたい人や根本的な働き方を見直したい人向けの転職先です。

今よりもより高い年収を求めて同業他社へ転職するケースが多いのは、他の業界と同様にM&A業界も同じです。
M&A仲介の業界は成果次第で高いインセンティブを獲得できますが、企業によってインセンティブ率や配分率にバラツキがあります。
自分の能力を最大限発揮して、より高い収入を得るためには、同業他社で条件が良いところに転職する選択肢もあります。

その他、収入よりライフワークバランスの充実を優先するため、同業他社へ転職するケースもあります。
忙しいM&A業界の中でも、ワークライフバランスや個人の裁量を重視したM&A仲介会社は存在します。自分の理想に合う会社を探すには、同業のM&A仲介会社に目を向ける方が効率的かもしれません。

FAS

M&Aの中でも特に財務スキルを磨き上げたい人が選ぶ転職先です。
M&Aのプロセスにおいて、財務DDやバリューエーションなどのフェーズでは会計や金融の深い知識が必要とされます。
M&A仲介会社でも基本的な財務の内容を学ぶことはできますが、外部の専門会社へ丸ごと委託している場合もあり、深い知識を身につけるには物足りない場合もあります。
そのため、より深い財務知識を磨き上げたい人が転職先に選ぶのがFASです。
特にM＆Aアドバイザリー業務や事業再生業務などを担当するFASは、M＆A仲介経験者が活躍できる転職先です。
FASはM＆Aの世界を極めたいと考えている人にとって、良い選択肢です。

事業会社

事業会社とはコンサル企業や士業、金融機関を除く一般的な会社を指します。具体的には、ハウスメーカーや飲食店、ホテル、ITなど自社のサービスを提供する一般的な企業などが挙げられます。
事業拡大のために自社の組織内にM＆A部門を設置している会社は多く、これから新たに設置を検討している企業も少なくありません。

営業力を活かした転職を考えるなら、事業会社のセールスポジションがうってつけです。M&A仲介の経験者は営業力が高い認識があるため、基本的な採用ニーズが高いです。
募集枠は少ないものの、求人が出るタイミングとあえば大きなチャンスとなります。

金融機関

事業会社と同じく、金融機関でも事業承継の案件に独自で対応するために、独自にM&A部門を持ちたいと考えている、もしくはすでにM&A部門を設立している企業があります。
今までM&A仲介会社へ依頼していた案件を内製化する流れは、今後も一定数見られるでしょう。
M&A仲介会社の経験者が金融機関のM&A部門にて高待遇で迎えられるのは十分にあり得ることです。

コンサルティングファーム

M&Aを請け負っているコンサルティングファームへ転職すると、今までよりも幅広い領域で活躍できるようになります。
M&A仲介会社に在籍していると、M&Aしか提供できるものはありませんが、コンサルティングファームではM&Aを含めたさまざまなコンサルティングができるようになります。
顧客満足度を高めることができ、やりがいに見合う報酬も得られるでしょう。

PEファンド

PEとはプライベートエクイティ（Private Equity）いわゆる未公開株式の略称です。
PEファンドは未公開（非上場）企業の株式への投資、もしくは上場企業を非公開化する投資に携わります。
投資先企業が企業価値を上げた後に売却して、売却益を得ることを目的として活動します。
採用の枠自体が少ないため、PEファンドへ転職するチャンスは少ないですが、M&A仲介会社から見るとPEファンドは買い手企業となるため、パイプを持つ人はPEファンドへの転職を成功させている実例もあります。

キャリアアップのためにM&A仲介会社で身につけておきたいスキル

M&A人材の持つスキルは、様々な業界で重宝される傾向が強いです。先々のキャリアアップを見据えて身につけておきたいスキルを紹介します。

営業力と交渉力

人との折衝能力は欠かせないスキルです。営業力と交渉力が高い人材は、あらゆる環境で必要とされる人材になれます。
営業能力とお互いの利害関係を説きながら落とし所を見つけられる人材は、キャリアアップ後の環境でも多いに重宝されます。
M&A仲介会社では営業力と交渉力に磨きをかけられる職場です。自分の市場価値を上げるためにも、日々の自己研鑽は忘れないようにしましょう。

さまざまな業界の専門知識

M&A仲介会社でさまざまな案件に携わるにつれて、買収対象業界の専門知識を得ることができます。
売上拡大や新事業展開などの買収を成功させるためには、買収対象業界を正しく理解し、成長性のある企業を買収しなければいけません。
業界に詳しくなると、既存事業とのシナジー効果をより正確に測定できます。
アピールできるほどの業界知識と実績があれば、転職後のキャリアアップの道筋も立てやすいでしょう。
欠かせない人材として活躍できるチャンスは広がります。

まとめ

M&A仲介会社からの転職先で多いのは、同じ業界内での転職です。転職によって新たなポジションの獲得や年収アップを狙っている人は多くみられます。
その他には、FASや事業会社など、M&A人材を求めている業界への挑戦によってキャリアアップを図る人も多いようです。
様々な業界の専門知識や卓越した折衝能力があれば、あらゆる方向へのキャリアアップを実現できるでしょう。