「事業会社のM&A企画部門で働くに必要なスキルは?」
「FASと事業会社のM&A経営企画部門ではどういった違いがあるのか?」
近年、M&A需要が加速化し、企業内にM&A経営企画部門を設立する事業会社も増えております。
年収帯は企業によって違いはあるものの、高度な知識・スキルを必要とする業種のため、総じて高い傾向にあります。
一方で、M&A経営企画部門への転職難易度は非常に高く、生半可な知識・スキルでは門前払いされるでしょう。
そこで当記事では、
上記について、詳しく解説します。
目次
M&A経営企画部門への転職に必要な4つのスキルとは?... 1
2.M&A経営企画部門への転職に向いていない人の特徴.. 3
3.まとめ|M&A経営企画部門への転職を有利にする方法... 3
M&A経営企画部門への転職に必要なスキルは、以下の通りです。
M&A経営企画部門はFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)と比較されることが多いですが、FASに比べて業務範囲が広いのが特徴です。というのも、FASは企業から依頼された業務範囲のみを行うのに対し、M&A経営企画部門は、企業内において経営企画(=事業戦略の策定)からM&A契約後のPMI(=統合プロセス)に至る全ての業務に従事するためです。
企業の根幹に係わる業務に携われる一方で、経営企画からPMIに至る専門的且つ高度なスキル・知識が必要なので、転職難易度は非常に高いということは念頭に置くべきです。
具体的には、以下の資格を持っていると転職が有利に働きます。
M&A経営企画において、企業内の売上高、利益率等に関する知識はもちろんですが、財務・税務・法務などの専門的な分野からアプローチする能力も求められるので、上記の資格取得は重要です。また、クロスボーダーM&Aを行っている企業に転職する場合は、「USCPA(米国公認会計士)」や「TOEIC」といった資格も有利に働くでしょう。
M&Aにおける「経営企画・戦略の策定」「スキームの構築」「相手企業との交渉・契約」「PMI(統合プロセス)」の全ての業務を一貫して行うため、それらを管理する能力(=タスク管理能力)が必須です。
また、M&Aが必ずしも成功するとは限りませんので、リスク管理能力も重要になってきます。そのため、「目の前の業務に精一杯」「失敗したときに場当たり的な対応」が染みついている人には不向きと言えるでしょう。
M&A経営企画部門において、プロジェクト単位で遂行することが多いので、進捗に応じて業務量も変動します。特に買収後のPMIにおいては、M&Aに納得していない従業員や買収先の従業員との連携など、業務が長期間且つ多忙になるケースがありますので、相応の忍耐力が求められます。
M&Aは会社間の取引と思われがちですが、交渉相手は会社ではなく人(経営者)です。そのため、いくらM&A条件にマッチしていても、相手の心証次第で成功にも失敗にもなりえます。
M&A交渉を行う上で、相手を識(し)ることは非常に重要で、他業種相手ならばなおさら相手のことを識る努力・姿勢が求められます。向上心を持って業務を遂行できる人が、M&A
企画経営部門において重宝されることは間違いないでしょう。
M&A経営企画部門で求められるスキルについて解説しましたが、一方で、以下に当てはまる人は転職に向いていない可能性があります。
M&A経営企画部門は、1つのプロジェクトに対し複数人で遂行するのが一般的です。そのため、一人の遅れが全体の遅れになることはもちろんですが、そのしわ寄せが残業(時間外労働)としてのしかかることも理解する必要があります。そうでなくとも、協調性が無い人の風当たりが強くなることは自明の理とも言えますので、「一人で黙々仕事したい」という人には不向きの職業です。
M&A経営企画部門において、専門的な知識・スキルが求められる一方で、コミュニケーション力にも長けている必要があります。交渉相手が経営者である以上、同水準で会話ができないと交渉どころではありませんし、不利な条件交渉や失敗に終わってしまうことも。
一貫したM&A業務に携わる以上、コミュニケーション力は必須ですので、「会話に自信がない」という方には難しい業種かもしれません。
M&A経営企画部門への転職に必要なスキルについて解説しました。
M&A経営企画部門は、FASやM&A仲介会社と比較して、幅広い知識・スキルが求められる転職難易度の高い業種です。
そのため、上記で述べたスキルを磨くことに並行して、転職エージェントの活用がおすすめです。特にM&Aに特化した転職エージェントを活用することで、転職が有利になるだけでなく、ライバルと差別化を図ることにもつながりますので、積極的に活用しましょう。