高年収が魅力的なM&A業界ですが、労働面においては「激務」「やばい」といった声も少なくありません。少し深掘りすると、2022年度の上場企業における日本人の平均年収が620万4,000円(東京商工リサーチ調べ)なのに対し、同年におけるM&A業界の平均年収は1,000~3,000万円(業界トップのM&Aキャピタルパートナーズは平均年収3,161万円)と桁違いであることが見て取れます。
その反面、残業時間においては月平均80~100時間前後、繁忙期に至ってはその倍程度になることも少なくなく、年収相応の残業時間は覚悟する必要がありそうです。
では、やばいと言われるM&A業界において、どのような人材が転職に向いているのか、
当記事では、
上記について、詳しく解説します。
目次
M&Aに有利な資格・スキル取得の難易度が総じて高い... 2
M&A業界は、高年収が魅力的な反面「より高度な営業力」「専門的な知識・スキル」が求められるため、転職難易度が高い業種の一つです。
営業職の到達点とも言えるM&A業界において、一般的な営業力では到底太刀打ちできず、最低でも現職における企業内成績が上位1~3位をキープできるだけの能力が求められます。M&Aという特性上、クライアントとなるのは経営者、つまりは会社のトップを相手取る訳です。さらに、成約までに6~8ヵ月程度の長期的な案件になることも多く、進捗管理やリスク管理といったマネジメント能力も必要となります。
M&Aの作業内容は、ざっくり言うと「①M&A戦略の策定」「②スキームの構築」「③ロングリストの作成」「④交渉」「⑤契約」「⑥PMI」に分かれ、どの工程においても相応の作業量・時間を要します。そのため、時間内に終わらず残業になることもありますので、「必ず定時に帰宅したい」という方には向かない点が挙げられます。
また、仕事量としての残業以外にもクライアントからの要望で時間外出勤になることもあります。M&Aにおいて、常にお客様ファーストの精神が求められるため、例え休日・時間外だろうとも要望に応えなくてはならない場合も出てくることは覚悟しましょう。
M&Aは、税務や法務、会計、コンサルティング能力など多角的な分野の能力が求められます。例えば、M&A業界に有利な資格としては、
上記を取得していると、転職に有利になるだけでなく、即戦力としていきなり数千万円の高年収を目指すことも可能ですが、相応に取得難易度は高くなります。
逆に、上記の資格を持ち合わせていない場合、例えM&A実務経験者でも転職は大幅に不利となりますので、資格取得は必須といえるでしょう。
M&A業界のやばいと言われる点を列挙してきましたが、逆に言えば、やばい点をメリットと思える方、克服できる方はM&Aの高年収は魅力的に見えるでしょう。
M&Aは短期間で完了することは稀で、通常6~8ヵ月程度の期間を要します。その期間は大変なことも多いですが、やり遂げた後の達成感は計り知れないものがありますし、相応の成果報酬が期待できます。また、報酬だけでなくクライアントとの信頼関係や人脈も付いてきますので、これほどやりがいのある仕事は他にないでしょう。
M&A業界は、成立すれば相応の報酬が期待できますが、逆も然りです。成績が悪いからといって一方的に解雇されることはないものの、周囲からの冷ややかな目は避けられません。
でも、一つ忘れてはならないのは、トッププレイヤーと言われる人たちもたくさんの失敗や経験しているということです。たくさんの失敗から反省し次回に繋げる力、まさに「継続は力なり」を愚直に実践している人だけが年間数千万~億プレイヤーとして稼いでいます。
今は失敗続きでも、それを糧にできる向上心を持ってる人はM&A業界への転職に向いていると言えます。
M&A業界において、一にも二にも重要になるのは営業力です。
しかも、ただの営業ではなく経営者相手の高い営業力が求められますので、自分の行動や発言に自信を持つことが重要になります。
具体的には、
これらのスキルを高い水準で備えることができれば、M&A成功率も格段に上がりますしクライアントからも絶大な信頼を得ることも可能です。
やばいと言われるM&A業界の転職事情について解説しました。
年収が高いということは、相応に求められるもの(仕事量や能力など)も高くなるのは自明の理です。それをやばいと捉えるかやりがいと捉えるかは個人の判断に委ねられますので、後者であればM&A業界への転職を検討してみましょう。