上場企業を含む日本人の平均年収で毎年上位に君臨するM&A業界。
国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人全体の平均年収が約457万円であるのに対して、M&A業界の上位を占める企業は、総じて1,000万円を超えているのが現状です。また、トッププレイヤーともなると年収1億円越えもあるというので、M&A業界の魅力性が伺えます。
ですが、M&A業界に従事する全ての人が1,000万円プレイヤーかというとそうではなく、人によっては400~500万円程度になる場合もあります。
なぜ年収にそこまでの差があるのか、、、
当記事では、
上記について詳しく解説します。
目次
【本当に高年収?】M&A業界が高年収だといわれている実態と仕事内容について解説... 1
M&A業界は年々ニーズが高まっている=高年収が見込める... 1
M&A業界が高年収だと言われている理由は、「業界全体のニーズの高さ」と「成果報酬制」にあります。
M&Aとは、売りたい企業と買いたい企業をマッチング(合併・買収)させるビジネスモデルで、経営者の高齢化や後継者不足を理由に、そのニーズは年々増加傾向にあります。
また、向こう数年は後継者問題が続くと予想されているので、M&A業界のニーズはさらに高まると言えるでしょう。
M&A企業は、「基本給+成果報酬(インセンティブ)」という給与体系がベースにあります。
例えば、上場企業の平均年収ランキング1位のM&Aキャピタルパートナーズの年収体系は「基本給420万円+成果報酬(インセンティブ)」で、次いでストライクや日本M&Aセンターが基本給400万円+成果報酬、他のM&A企業も基本給が400万円前後と発表しています。
この給与体系の意味するところは、成果を出せば出した分だけ年収が上がる、逆に成果を出さなければ年収は上がらない、まさに完全実力社会だということです。
M&A業界は、大きく分けて「M&A仲介」と「FA(ファイナンシャルアドバイザー)」の2つの職種があります。
どちらもクライアント(企業)をサポートするという点では一緒ですが、立場や業務内容によって違いがあるため、以下に解説します。
M&A仲介はその名の通り、売り手と買い手の仲介役で、双方の利益最大化を目的としています。原則として、売り手と買い手どちらか一方の味方をすることはなく、あくまで中立的な立場からサポートする点がポイントです。その分仕事量も増えますが、双方から仲介手数料を受け取れるため高収益性を期待できる職種です。
M&A仲介は、ソーシングからM&A成約に至るまでを一貫してサポートする職種のため、幅広い知識とマネジメント力、交渉を円滑に進めるための交渉力が求められます。
また、後述するFAが大手企業間M&Aで活躍するのに対し、M&A仲介は中小企業間のM&Aで活躍することが多いです。
M&A仲介の仕事内容は、以下の通りです。
基本的には、M&Aに関わる全体の指揮を行うため、双方(売り手・買い手)のパートナーとして円滑な進行力が求められます。また、場合によっては双方(もしくは片方)が雇っているFAと交渉を進める場面も出てくるので、より難易度の高いM&Aに発展することもあります。
FA(ファイナンシャルアドバイザー)はクライアント側(売り手もしくは買い手)の利益最大化を図ることが目的で、より専門的な知識や高い営業力が求められる職種です。また、前述の通り、大手企業間M&Aで活躍することが多く、逆に中小企業間においてはM&A仲介が仕切ることがほとんどです。
FAは職域によって、M&AコンサルタントやM&Aアドバイザリーといったように異なる呼ばれ方をすることもありますが、基本的には一緒であるという認識で問題ありません。
原則、M&A仲介の仕事内容と変わりませんが、クライアント側の利益最大化を図るという特性上、より高度な専門的な知識(スキル)、営業力が求められます。また、大手企業を相手取ることも多いため、成約までに要する期間も長くなる(=忍耐力が必要)傾向にあります。
M&A業界で高年収を目指すポイントは、以下の通りです。
M&A業界は「営業職の到達点」と呼ばれることもあるように、より高度な営業力が求められます。営業力といっても一概に「コレ」という指針があるわけではありませんが、クライアントの立場に立って臨機応変に対応できるセールスマンは重宝されます。
また、M&Aは複雑なプロセスが多い上、それを円滑に進める必要があるため、進捗管理やリスク管理といったマネジメント能力も必須と言えるでしょう。
M&Aを進めるにあたって、税務や会計、法務など多方面且つ専門的な知識・スキルが必要となります。また、M&A業界に有利な資格として、
上記の資格を取得していると、より幅広い業務に携わることが可能なため、必然的に年収も上がります。どれも難易度の高い資格ばかりですが、取得できれば相応のリターンも得ることができ、周りと差別化を図れることは間違いないでしょう。
M&A業界における年収と仕事内容について解説しました。
高年収であることが強調されがちですが、M&A業界は実力社会ですので、企業の求める人材でなければすぐに淘汰されてしまいます。ですが、向上心があれば、年収1,000万円はおろか1億円以上を目指すことも可能な職業ですので、トッププレイヤーを目指して日々研鑽を積んでいきましょう。