経営者の高齢化や後継者不足から、M&A業界の需要は年々右肩上がりの傾向を見せています。ただ、より専門的な知識と高度な営業力を必要とするため、未経験での転職は非常に困難な職種であるとも言えます。
また、M&A業界は大きく分けて「M&A仲介」「M&Aコンサルタント」「M&Aアドバイザリー」の3つの職種が存在し、結論として、未経験から目指すなら経験者に見劣りしない資格やスキル、実績が必要不可欠です。
当記事では、
上記ついて詳しく解説します。
目次
【M&A未経験者必見】M&A業界へ転職するための必須スキルとは?... 1
M&Aは「Mergers&Acquisitions」の略称で、直訳すると合併と買収を意味します。
会社の経営難や後継者不足などを理由に会社の売却を考える立場(売り手)と事業拡大や企業の成長・存続を目的として買収する立場、この2つがマッチングすることで初めてM&Aが成立します。
とはいえ、M&Aを成立させるには多くのハードルをクリアする必要があり、それらを当人同士で売買交渉するのは現実的ではありません。
より多角的な観点から支援を行い、書類や企業調査、交渉の段取り、成約に至るまでの一連のプロセスを担うのがM&A仲介会社の役割です。
M&A業界における主な職種は、以下の通りです。
※M&AコンサルタントとM&Aアドバイザリーはクライアント側の利益最大化を図るという点では一緒ですが、業務内容に違いがあります。
上記2点の大きな違いは、利益最大化を図るクライアントが「双方」なのか「どちらか片方」なのかという点です。また、M&Aコンサルタント(M&Aアドバイザリー)の方がより踏み込んだ業務内容になることもあり、応じて難易度が高いとされています。
M&A業界は、より専門的な知識や高度な営業力が求められるので、実務経験や実績がある方が転職に有利であることは間違いありません。ですが、M&A業界に準じたスキルや実績を積み上げることができれば、未経験でも有利な転職を進めることが可能です。
M&A業界で求められるスキルや実績は、以下の通りです。
M&Aに移行すると、クライアント(主に経営者)と半年~1年といった長期間のお付き合いになることが多いので、高い営業力はもちろんですが、忍耐力・論理的思考力も求められます。
M&Aにおいて、デューデリジェンスの実施や会計、監査、税務、法務、契約書の作成など数多くの専門知識・スキルが求められますので、上記の資格を取得していると周りと差別化を図ることができるでしょう。
前述の通り、M&A業界は「M&A仲介」「M&Aコンサルタント」「M&Aアドバイザリー」の3つに分かれ、ご自身のスキルや実績、求める業務範囲によって選択します。
各職種の業務内容は、以下の通りです。
M&A仲介は、売り手・買い手の間に立って双方の利益最大化を図ることを目的としています。言い方を変えれば、どちらにも与しない中立の立場からサポート・管理するのが職務です。不動産の仲介業者をイメージすると分かりやすいかもしれません。
また大手企業のM&Aとなると、専任のFA(後述)を代理人としていることが多いので、代理人との間で交渉や仲介を進めていく場合もあります。
M&Aコンサルタント(M&Aアドバイザリー)は、クライアント側に立って利益最大化を図ることを目的としています。M&AコンサルタントとM&Aアドバイザリーは厳密には職域の点で違いがあるのですが、企業によってはFA(ファイナンシャルアドバイザー)と統一していることもあります。
職務内容としては、M&A決定後のスキーム構築やデューデリジェンス(企業調査)、条件交渉、契約書類の作成など多岐に渡ります。
未経験からM&A業界に転職するための方法について解説しました。
M&A業界は常に即戦力を求めているので、特に中途採用且つ未経験の場合は、業界経験者よりも狭き門となっているのが現状です。
だからといって悲観する必要はなく、業界経験者に劣らない営業力や資格・スキルをアピールできれば、転職の可能性は大きく広がります。
それに合わせて、M&Aに特化した転職エージェントを活用することでその確率を高めることが可能ですので、未経験ならではの柔軟な行動力を大切にしていきましょう。